コード de CLASSIC of 松本あすか OFFICIAL WEBSITE

ピアニスト松本あすかの公式ウェブサイト。

ph_ichigo081.jpg

コード de CLASSICとは?

play_alt_24x24.png... クラシックの楽曲を、コード譜面に

「コード de CLASSIC」は、クラシックの楽曲を、ポップスの譜面のように「コード譜面」に変換してみよう、というコーナーです。様々なクラシックの楽曲を、松本あすかがフルサイズコード起こし!学習時のコード分析の手助けのために、アナリーゼの参考に、編曲遊びのネタに…と使い方は自由!コード譜面のPDFファイルを、現在フリーダウンロードで公開しています。コードの解釈も一通りではないため、あくまで参考に、そして好きにご利用頂ければと思います。(講座で解説させて頂いた楽曲などもコチラからダウンロード出来ます。)

「コード」と「和声」

play_alt_24x24.png... ポップスの「コード」と、クラシックの「和声」は同じ

「コード」というとポップスやジャズのイメージがあり、「良くわからない」「簡単なのは分かるけど」…と敬遠されがちですが、「言い方が違うだけで結局はクラシックで習う「和声」とほとんど変わりません。「入り口が違う」だけで、もしかすると「コード」の方が理解しやすい方もいると思います。

  • ポップス、ジャズ等 「コード譜」→ そのコードの中から音を選んで演奏
  • クラシック 「おたまじゃくし譜」→ 選ばれた音から、元になっている和声を感じて演奏

「もっと和声感を持って…」「導音を意識して…」日常のレッスンでよく聞く言葉たち。理論の授業で習った和声も「机の上の勉強」と「演奏上に生かす」ということが結びつかず、必死に指の練習しているうちに、おたまじゃくしの楽譜の中から和声感を感じることが、薄くなってしまうことも・・・。

もちろん、オタマジャクシの状態から、自然と和声を感じられればそれが一番良いのですが、コードに起こして視覚化することで、和声理解の大きな手助けになります。クラシックのアナリーゼの度数表記では、その数字だけでは音を脳内に鳴らすのが難しかったり、また転調の激しい曲などでは複雑な表記になってしまいますが、コードにすることで、簡単に脳内に和声を鳴らすことが出来るようになります。

play_alt_24x24.png... ようするに「属七」が「セブンス」!

和声感、さらには機能和声感を持った演奏は、聴いていてとても自然な流れを感じます。ポップスの譜面をみているとよく登場するのが「C7」や「Eb7」など、アルファベットに7という数字が付いたもの。これが「セブンス」と呼ばれるコードで、基本いわゆる「属七」にあたるもの。つまりは「ドミナント」の雰囲気、ちょっと緊張感高まっていたり、なにかしらのエネルギーを感じる部分。そのあとに登場するのが、その曲の「主和音(Ⅰ度の和音)」だった場合、「ドミナント」→「トニック」という王道の流れが出来ます。いわゆる「緊張」→「弛緩」。トニックが登場した時に「1度に帰って来たよー」という「ただいま感」を味わって演奏することで、その他の和声の時にも、「トニック」というHOMEからの距離感みたいなものを感じることが出来ます。そのためにもまず「ドミナント」を意識するのは重要。Cdur なら「G7→C」、Fdurなら「C7→F」、の場所だけでも、見つけて是非コードを書き込んで見て下さい!
また、ドミナントに気付く癖が付くと、自然と「調性感」も弾きながら分かるようになります。「Ⅰ度」「Ⅴ度」「それ以外」まずはこの3分類から!

始めは古典の曲などから試してみると、わかりやすいです!

さらに詳しい「コード譜作成法、クラシックでのコード活用」などは、各セミナー、レッスン、講座でもレクチャーしております。

コード譜練習法


とりあえず眺めてみる!

コードは良くわからない・・・。そのような方も、もし公開ファイルの中で知っている楽曲があれば、そのコード譜を眺めながら、元の楽曲の譜面通りに演奏してみてください!「ここまで同じ一つの和声が続いていたんだ」「メロディーが同じなのにコードは別…」「1曲全体の構成がスッキリみえる」などなど、発見は無限。細かい音符を弾いている時でも、なんとなくコードの「アルファベット」の括りを意識することで、だんだん背景の和声感が感じられるようになってきます。指を動かすことに意識が行ってしまうときは、CDや自分が演奏した音を聴きながら、コード譜を追いかけるだけでもOK!

分かるコードだけでも「和音」で弾いてみる

もし、書いてあるコードの中で理解できる和音があれば、「じゃーーーん」と和音の固まりとして鳴らしてみて下さい。そのコードの間は、どんな細かいメロディーやリズムが出て来たとしても、背景には「その和声のじゅうたん」が敷かれています。その上を歩いている、という意識でメロディーを弾いてみて下さい。メロディーやリズムをつけた途端耳の中で和音が消えてしまいそうな時は、なんどでも繰り返し、「和音弾き」に戻ります。コードが理解出来る方は、一曲全体を「コード」で演奏してみて下さい。実は、「メロディーを歌おう」とすると、音楽的にいつの間にか不自然になってしまうことがあります。「コードを歌おう」と意識することで、むしろ理にかなった自然なメロディーの歌い方になったりします。

ベースを追ってみる

コードの「C」「D」「E」は「ド」「レ」「ミ」に対応しています。その法則で12音がどのアルファベットに対応するか、それだけもし理解出来たら、「ベースライン遊び」が可能です。単音でいいので、低音でその音のみを、演奏してみて下さい。その時、出来ればゆっくりでもいいので、拍子に乗せて演奏するのがポイントです。もしコードが「C/E」のように分数表記になっている場合(「分子/分母」)、「分母」の方を拾ってみて下さい。

コード譜を元に一度自由に弾いてみる

コード譜を眺めながら、実際の音符を演奏していくという練習方法以外に、ポップスのように、今度はコード譜を元に自由に音を選んで行く、という練習も出来ます。一度譜面の音から離れ、自分なりに音を選んでみることで、再度楽譜に戻ると、作曲家によって選び抜かれた究極の一音の意味を感じたり、また、譜面通り且つ即興的に弾くべき部分など、新たな解釈の確信が自分の中に芽生えることもあります。

使い方、遊び方は無限

今でこそ「即興」というとジャズというイメージが強いですが、昔のクラシックの演奏会では「即興演奏タイム」というのがあり、モーツァルトもリストも即興の天才でした。数あるクラシックの「変奏曲」もテーマのコード進行を元にメロディーを変形させ、また、メロディーを残したまま和声を変化させ、と、「メロディー」と「和声」の組み合わせで遊んでいる曲が沢山あります。もとの楽曲のアナリーゼとして、また、新たな独自のアレンジの材料として、即興遊びのネタとして、、ぜひオリジナルな使い方を編み出してみて下さい!

さらに詳しい「コード譜作成法、クラシックでのコード活用」などは、各セミナー、レッスン、講座でもレクチャーしております。

コードを書いてみよう

play_alt_24x24.png... 超簡単!簡易コード譜、基礎の「基」

小難しいコード、テンション…、それらは後回しでも全然OK!まずは分かるところから始めの一歩です!

STEP1

まずは「7つのアルファベット」と「ドレミ」を結びつけよう!

  • ABCDEFG」は「ラシドレミファソ」に対応しています。つまり「C#」は「ド#」のこと!
  • 読み方は、ドイツ音名ですと「アーハーツェーデー…」となりますが、コードとして読む時は英音名で読むので「エービーシーディー…」です。
  • クラシック流で覚えている時の注意は2つ。
    • 「B」はクラシックでは「ベー」で「シ♭」のことですが、コードでは「B」は「シ(ナチュラル)」をさします。
      • 【 シ 】→ 英音名【 B 】 → ドイツ音名 【 H 】
      • 【 シb 】→ 英音名【 Bb 】 → ドイツ音名【 B 】
    • 「E」はドイツ音名で「エー」と読みますが、コードで「エー」というと「A」のことをさします。
      • 【A】【ラ】→ 英音名【エー】→ ドイツ音名【アー】
      • 【E】【ミ】→ 英音名【イー】→ ドイツ音名【エー】
    • つまり、
    • 「エードゥア(ドイツ音名)」といったら 「E」が主音
    • 「エーメイジャー(英音名)」といったら「A」が主音です。

STEP2

基本のメジャーコードを覚えましょう!

  • 「C」が「ド」ということが分かったら、その上に音を重ねて3和音にしてみましょう。
  • 「どみそ〜」はい!それが「C(シー)」というコードの和音になります。
  • 和音の重ね方は、五線上に綺麗に【団子三兄弟】になるように主音の上にあと2つ並べてみて下さい。
  • 「G」と書いてあれば、「そーしーれー」です。
  • 「D」と書いてあれば、「れーふぁーらー」…あれ?なんか暗い感じがする、そんな時は真ん中の音を半音あげてみると、「DーF#ーAー」で明るい響きになります。これが基本のメジャーコード!つまり、長3和音のことですね。

STEP3

基本のマイナーコードを覚えましょう!

  • 先ほどの「暗い和音」はいわゆる「短3和音」のことですが、これが「マイナーコード」と呼ばれるものです。
  • 作り方は、先ほどと同じように、主音に対して上に【団子3兄弟】を作ってみます。
  • 作ってみて明るくなってしまった場合、真ん中の3度の音を半音さげてみてください。
  • 「どーみーそー」…明るいので、「どーみ♭ーそー」暗くなりました!
  • この時のコードが「Cm(シーマイナー)」というものです。

STEP4

楽譜からコードを読み取ろう〜まずは「Ⅰ度の和音」から!

  • ではいよいよさっそく、楽譜からコードを読み取ってみましょう!
  • …と、その前に、その曲が「何調」かチェックです。調号を確認。
  • C dur ならⅠ度の和音は「C(ドミソ)」。F dur なら 「F(ファラド)」です。
  • ヒントはまず、一拍目の一番低い音 の中で、主音になっているところを探します。仮に C dur だとしたら「C」の音を探します。
  • そのあと、上の声部の構成音がどんな音になっているかをみます。「ミ」や「ソ」が登場していれば、そこのコードが「C」ということが分かります。たとえば「レ」などの音が混ざっていても、今は気にせず「C(ドミソー)」と思って下さい。
  • しかーーーーし!下の音が「C」であっても上の音のなかに「ミ」や「ソ」が登場せず、例えば「ファ」や「ラ」があった場合…、そこのコードは「C」ではなく、「F」の仲間ということになります(ちなみにこの場合のコードは「F/C」)。
  • そのようにチェックしてみて、曲の中に登場するすべての「ドミソ」の和声の部分に「C」というコードを書き込んでみて下さい。

STEP5

楽譜からコードを読み取ろう〜次は「Ⅴ度の和音」!

  • 「Ⅰ度」の和音が分かったら、次は「Ⅴ度」を探してみます。それによって「ドミナント」→「トニック」の組み合わせの場所が分かるようになります。
  • 例えばC durなら、Ⅴ度というと主音から5番目の音、ドーレーミーファーソ、で「G」の上にできる3和音なので、「ソーシーレー」を見つける、ということになります。
  • さて!その時に、試しに先ほど見つけた「Ⅰ度の和音」の、1つ前の和音をチェックしてみてください。そこにⅤ度の和音が隠されていることが多いです!
  • さらに!その「ソーシーレー」には「ファー」という、「ソから数えて7番目の音」も一緒に鳴っていませんか?その音がよく言われる「属七」の七、「セブンス」の7の音にあたります!
  • つまり、そこのコード、「ソーシーレーファー」のコードは「G7」ということになります。ドミナントセブンスの発見です!

STEP6

音数がたくさんで何のコードか分からない場合は?

  • そのベース音が続いている最中に登場する他の声部の音たちを、五線上に縦に和音として並べてみたとき、「団子三兄弟」を形成している部分を探し、その「一番下の団子」の音がその和音全体の「主音」となります(例外もあります)。
  • 注意は「ソードーミー」という順番の時も、引っくり返して五線上で綺麗に団子3兄弟を作ってみると、「ドーミーソー」になります。よって「ソードーミー」でも「C」というコードの仲間になります。
  • 綺麗に並べ替えたあとの、団子の真ん中の音(第3音)によって、メジャーか、マイナーかが決まります。
  • さらに「団子4兄弟」になっている時は「セブンス」の可能性があります。
  • 初めのうちは「Ⅴ度」の時のセブンスのみを意識してみて下さい!

STEP7

すでにある程度コードが分かる方へ…

  • 「ドミナント」→「トニック」を形成しているところを意識すると、曲中で転調している部分や、一瞬だけ別の調に移っているところなどが見え易くなります。
  • テンションを全て書き込むのも面白いですが、ざっくりとしたコードのみを書き、重要なテンションのみを、ピンポイントでその音に「#9」「b13」のように書き込んでいくのもオススメです。
  • 逆に、書かずに分かる和声はそのままにし、理解しにくい音のみ細かく分析してコード表記しておくのも、アリだと思います。
  • 細かくコードが動き回るところでも、コードが装飾メロディー的に動いているだけのところは、いちいちコードに起こさない方が、全体の大きな和声進行(機能和声進行)を感じ易いです。
  • 何種類か考えられるコードは、前後の機能和声の流れをみて判断したり、解釈によって、変わって来ると思います。両方試してみることで、感じるコード感によって聴こえて来る音が違ったり、歌い方が変化したりするのも、面白いと思います。
  • コードが理解出来ること自体も楽しいですが、普段演奏している「音符」は「コード」よりも細かい単位なので、外側のコードを理解した上でその中身をみてゆくと、一音のアイデンティティがより明確に見えて来ます。さらには、その「コード」の流れからさらに外側の「和声進行」「機能和声」を理解することで、より一つ一つのコードの立ち位置も分かって来ます。
  • コード起こしをクラシック演奏に生かすアイディア、練習法など、ご意見もお待ちしてます!

さらに詳しい「コード譜作成法、クラシックでのコード活用」などは、各セミナー、レッスン、講座でもレクチャーしております。

(2011.04.26 up!)new1.gif

スカラムーシュより 3ブラジレイラ/ダリウス・ミヨー

DARIUS MILHAUD:SCARAMOUCHE Ⅲ.Brazileira

似たようなコード進行が繰り返し登場するこの曲。曲を「音符」で捉えるよりも、曲全体を大きな構成感で把握したほうが、聴いていて1曲のまとまりがスッキリ聞こえるはずです。

イントロ:2小節のリフ。この曲の特徴的な「Ⅰ→Ⅴ」フレーズです。
【A】F Major:「Ⅰ→Ⅴ」の繰り返しが基本。途中の「F7」がポイント!
【B】C Major:全然違うセクションが始まったように感じますが、よくよくみると、前のセクションがⅤ度上のC Major Keyに転調して変形しているんですね。
【C】A Major:またまた転調です。そしてただただ「E7(ドミナント)→A(トニック)」を感じると気持ちいい!すると、E7が3小節続くところはただ同じことを3回続けるのではなく、わくわくした緊張感をキープ出来ます。
【D】A Major:たゆたゆたゆたゆ、と「E7→A」を繰り返す上でメロディーが遊びます。…とうっかりリラックスしていると、最後変則的な小節数で次のセクションへ!
【E】F Major:2つ前のセクション、Cの転調バージョンです。いつのまに、元の調に戻ってます。最後は2小節のブリッジを挟んで再び頭のセクションへ。

元の譜面はダルセーニョはリピートは付いていませんが、構成感の把握のためにこのようにしてみました。

リズミックな要素が強い楽曲のため、つい意識がリズムに向いてしまいますが、そうすると特に伴奏パートはまるで「太鼓でもいいのでは…」という音になりがちです。シンプルなコードなので、調性+ドミナント→トニック感を味わってみて下さい。簡単コードなので、コード弾きの練習にも良いかと思います。

作成日: 2011.04.26 /©Asuka Matsumoto

ソナチネ Op.36-1 1楽章/クレメンティ

ソナチネ Op.36-1 1楽章/クレメンティ

Clementi:SONATINEN Op.36 No.1 Ⅰmov.

クレメンティ_Op36-1-1.mus.pdfよくある基本的なクラシックのコード進行で出来ています。この曲は大きく分けて3つの調が登場しています。
元の調:C Major key(C dur)Ⅰ度「C」、Ⅴ7(属七)「G7」
属調:G Major key (G dur)Ⅰ度「G」、Ⅴ7(属七)「D7」
同主調:C minor key(c moll)Ⅰ度「Cm」、V7(属七)「G7」

それぞれの調の「Ⅴ7→Ⅰ」のコードをセットで覚えられると、どんな曲を弾く時にも自然と「ドミナント→トニック」の力学を感じることが出来ます。メロディーの動きに惑わされずに、音楽的な機能和声と感情がリンク出来ると、弾いていてもしっくりくるので不思議です。とりあえず、C key部分は「G→C」を、G key部分は「D→G」を見つけて、響き的にも見た目的にも、その流れを耳と指と体感に染み込ませられると素敵です!慣れて来たら、簡単な3和音で良いので、楽譜の音符ではなく、コードで曲全体を拍子に乗せて演奏することが出来ると、そのあと、再びおたまじゃくしを演奏したときに、「和声」の響き中でメロディーが動けようになるはずです。

作成日: 2011.04.26 /©Asuka Matsumoto

Downloadはこちらから↓
LinkIconクレメンティ:ソナチネOp.36-1 Ⅰ

ベルガマスク組曲「月の光」/ドビュッシー

ベルガマスク組曲「月の光」/ドビュッシー

DEBUSSY:SUITE BERGAMASQUE「Clair de Lune」

ドビュッシー_月の光.pdf「シックス」のコードが多く登場します。「6」番目の音は、ヒックリ返して考えると、その音をルートとする「マイナーセブンス」とも考えられますが、前後の関係や、「メジャーに感じたい!」「マイナーに感じたい!」という個人的な感覚でとりあえず設定してみました(5〜8小節目など)。逆さまに感じてみても面白いと思います。セクションDのように、ベースのみがラインになって動いて行く部分は、ベース音を五線の下部に記してあります。機能和声として重要な意味をもつと思われるテンション以外(装飾的な意味を持って、基本のコードからの距離感を感じて弾いた方が良さそうなテンション音など)は、表記を省略しています。細かい変化は、むしろ「変わらない」大きな進行の中で感じていたいです。

作成日: 2011.04.20 /©Asuka Matsumoto

Downloadはこちらから↓
LinkIconドビュッシー:月の光

プレリュードとアレグロ/クライスラー

プレリュードとアレグロ/クライスラー(ヴァイオリン曲)

KREISLER:Praludium and Allegro

プレリュードとアレグロ.pdfヴァイオリンの有名なイントロ「ミーシーミーシー」のメロディで知られるこの曲。冒頭のセクションのコードは、とにかく「ベースが動かない」こと(ペダルベース)を感じて、「その上で」動いて行く変化を追いたい部分です。「動き」を感じるには「動かない」方に耳を置いたまま定点観測するかのように、動かない音からの距離感で和声変化を感じる方が、個人的には好き!アレグロに入ってからの「Em-Am7-D7-GM」進行の部分は、何度か登場するたびに、内声の動きやリズムが変わりますが、演奏している際に大枠で感じていたいコードのみで、あえて全てのコード変化や細かいリズムは表記せずにあります。最終的には、ヴァイオリンパートが動くラインの中が、コードの響きに触れては離れて…という動きやその時の距離感が「テンション」としてハモって聴こえると楽しい!あくまで元になる和声や、大きなコード進行の流れをしっかり把握していたいなと思います。

作成日: 2011.04.25 /©Asuka Matsumoto

Downloadはこちらから↓
LinkIconクライスラー:プレリュードとアレグロ...new1.gif

チェロソナタ Op.38 2楽章/ブラームス

チェロソナタ Op.38 2楽章/ブラームス(チェロ曲)

Brahms:Sonate fur Klavier und Violoncello e-moll Opus 38 Ⅱmov.

ブラームス_チェロソナタ2楽章.pdfチェロという楽器とピアノ演奏する時は、それぞれ、低音でルートを担当することもあれば、上にまわってメロディーを取ることもあり、いまどちらの音が「ルート」なのかを、自然と意識するなぁ、なんて思います。よって、ピアノの最低音がコード上の「ルート」を担当しているのか、転回系の上を拾っているだけなのか、それとも、コード自体が転回系になっていて、全体の底辺になっているのか、を、きっと無意識でででも理解出来ていたほうが、音楽が自然なような気がします。
 解釈によって変わって来るかと思いますが、、例えば22小節目からの4小節は、分数コードの底辺を、チェロから拾ってみました。これは、実際ピアノと合わさった時にチェロの方が音域が低い、ということと、この4小節で、「G-F#-F-E」というラインになっているのを聴きたかったという気持ちからです。そして次の26小節目からは逆に、音域の問題ではなく、25小節目から引き継いでピアノの「G」がペダルベースになっている方を抽出してみました。実際出す音が同じでも、コードの感じ方で響きのバランスが変わって来るのって、とても興味深いです。
前半部分には勝手にリピートをつけてしまいました。その理由は、1回目はベースの「ルートなし」のような響きになっていますが、裏に元のコードを把握することで、2回目に低音が出て来た時により充実感が増す気がしたのと、1カッコと2カッコの違いの3拍目の「C」のコードがとても好きだったので、その気持ちの表れです。

作成日: 2011.04.25 /©Asuka Matsumoto

Downloadはこちらから↓
LinkIconブラームス:チェロソナタ Op.38 2楽章...new1.gif

30番練習曲シリーズ /チェルニー

CZERNY:30 Etudes de Mecanisme Op.849

練習曲でおなじみ「チェルニー」という作曲家は、練習曲をたくさん書いたこと以外にも、ベートーヴェンの弟子であったということでも有名です。チェルニーといえば「指の練習」というイメージが強いですが、その分、コード進行は非常にシンプルで、解釈しやすい作りになっています。「T-S-D-T」の流れ、属調への転調、ベース音のペダルなど…。そしてその和声進行は、古典の楽曲やそれ以降の時代の楽曲を理解して行く上で、とても「基本」となるような、和声学習としても「使える」練習曲だと思っています。
ある程度の演奏技術をすでに持っていらっしゃる方は、今度はこの「コード譜」をみながら演奏をしてみることで、徹底的に「ドミナント」「トニック」感を身につけることが出来、また各調に登場する主要のコードの組み合わせなどが、自然と指と耳と脳内に染み込んでくると思います。

最終的には30番までアップ予定です。1ヶ月は30日。1日1曲のチェルニー遊びに、ぜひご利用下さい!

作成日: 2011.04.21 /©Asuka Matsumoto